まずはこれを読めるようになって帰ってください
突然ですけど、祝詞ってあるじゃないですか。あ、祝詞は「ノリト」と読みます!
神社で神様に向かって神職が唱える(奏上)するお経みたいなものを、祝詞っていうんですね。
こういう紙をさ、なんか広げて読んでるじゃん。それが祝詞。広げて読み上げてる写真はなかったスマン
祝詞がお寺サンのお経とごっちゃになってる方もいるかなーと、
なんとなく思うのですが、
祝詞はバリッバリ日本語(といっても古い日本語の大和言葉)で書かれているんですね。
そもそも神社からして日本独特のものですからね。
でも!!!!
祝詞というのはぜんぶ漢字で書かれているのです!!!
(ひえ~~~~)
祝詞の中身
具体的には↑こんな感じですね。
こんなの読めないよー!と思うじゃないですか。
それが、ルールが分かれば簡単に読めるんです。
あっ、僕が習った先生は、祝詞の読み方(発音)は意味が通ってればなんでもいいと言ってたんで、絶対に正しい規則があるわけじゃないですよ。それだけまず伝えておきます。
して、冒頭で挙げた、祝詞でよく使われる決まり文句の一文をもう一度見てみましょう。
大きい漢字と小さい漢字が並んでいますね?
いやいや、パワポめっちゃ下手なわけじゃないですよ。そういうものなのです。
このような表記法を宣命書(せんみょうがき)といいます。
wikipediaではこう説明されています。面倒なので引用しますね。
宣命・祝詞などの文体を宣命体といい、その表記法である宣命書とは、体言・用言の語幹を大きな字で書き、助詞・助動詞・用言の活用語尾などは、一字一音の万葉仮名で小さく右に寄せて書く方法である。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%A3%E5%91%BD
うっ、むずかしい!!!頭痛が!!!!!
すごーく噛み砕いていうなら、
小さい漢字は「送り仮名」や「てにをは」を表しています。
……授業みたいで嫌ですよね。
こういうのは実例だ!
実例いっちょう入りまーす!!!!
「海で泳ぐ」
を、宣命書にしてみましょう。
なんでまた秋真っ盛りに海……
「海で泳ぐ」これを全部漢字で表すわけですが、
「てにをは」である「で」
送り仮名(活用語尾)である泳「ぐ」
これらを漢字で小さく表記するということです。
(あくまでも例です)
この小さい字を万葉仮名といい、ひとつの字で決まったひとつの音を表します。
具、→「ぐ」とか、伝→「で」とかね。
一音に対していくつかの漢字が用意されています。
つまり、漢字の意味を無視して表音文字として使うんですね。あ、意味は必ずしも無視しないのですが、それはちょっと置いときます。
(「ひ」を「火」で表すと家内安全祈願のときに火事を連想させて不適切だな〜とか、そういうようなことです)
んで、どの漢字がどの音を補うかはwikipediaを見てもらえばわかるんですけど、でも、だいたい見たまんまです。素直に読めばいいです。
ねえ、楽しくないですか?!?!?!!?!?!?
もう一度例文の一部を抜粋して見てみましょう。
読める人はもう読めちゃいますよね。
日本語ではあるんですが、古い時代の言葉を元にしているので、そこはちょっと古典の勘を記憶からたぐりよせてください。
考えてみてね~~~~~~。
…
…
…
………
どうでしょうか?自信ない?わからない?
じゃあ、万葉仮名にルビ振ってあげますよ!!!
出来ない子ほど可愛いといいますからね(えらそう)。
どうですか~~~????
いけそうですか~~~~~~~???
答えはこちら!!
ほらー!!
たぶんみんな正解!えらい!
ちなみに「かけまくもかしこき」ってなんとなく聞いたことありますかね。
「口に出すのも畏れ多い」みたいな意味らしいですよ!!!へーーー!!!
じゃあもう、はじめに挙げたのも全部読めますよね。あなたの成長が嬉しいです。
※「何々」は好きな神社の名前当てはめてください。
どうかなー
読めるかなー
ここで分かった人は褒めます。天才!免許皆伝!よっ、名誉宮司!
それじゃ
ちょっとずつヒントだしてきますねー。
「爾来」とかで使いますが、この字は「に」の音を表します。
つぎのヒントは……
みんな知ってる「かけまくもかしこき」も埋めておきましたよん。
「白」は「まを」ですね。まをす……今で言う「申す」を表します。
ということは「左九」もなんとなくわかりますね?
次で答えを出しますよ~~~
ちなみにここまでのヒントで正解がわかった人は100点です!ヒントなしで分かった人は1億点!
それでは、どん!
ほら!読めた!!!
仮名遣いは気にしないで大丈夫です(僕も間違ってるかも)。
わかりやすく表すと「かけまくもかしこき、〇〇神社の、おおまえに、かしこみかしこみも、もうさく」
ってな感じですね。
そう。「かしこみかしこみも」ってこう書くんです……!
楽勝でしょ?
じゃあこれを読んでください!
どうでしょう?
そもそも、これわかりますか?
「みたまのふゆ」なんですね!へえ!
てな具合に、見慣れない漢字や、知ってる単語でも訓読みするから読み方が普通と違うよ~~~ってことがありますので、次の記事でそのへんをクイズにしようかな~と思います!
祝詞は大枠は決まりがあるんですけど、文章でどの単語使うかとかどういう表現するかとかは基本的に自由なんです。その辺りとかもまた言えたら。
飽き性なのでここで終わるかもしれませんが!!
そしたら、じぶんで教科書買って読んでください!よろぴこ!
コメント
コメント一覧 (1)
前回のド下ネタから何と言う飛距離!笑
勉強からかなり遠いところに居る、酒浸りの中年にもわかりやすい説明でした。亞麗我斗憂。
くっちゃん
がしました