ネコ車(手押し車)で買い物に行く記事を書いた。また記事のなかで金の話をしている。
新NISAの投資ブームに乗っかって株をはじめた。
当初は安定的とされるインデックス投資しか考えていなかったが、調べていくうちにどんどこ興味が湧いてきて、値動きが激しい日本の個別株を2単元買うことにしたのだ。
当方数字にはめっぽう弱く、出身高校は偏差値40、普通科なのに数学Bは必修ですらなかったくらいである。
学歴の話でいうと僕はお笑いコンビ「祇園」のボケの木﨑と大学が同じでツッコミの櫻井とは高校が同じなので、ひとり祇園と呼んでくださいこれからは。
株の話だった。それで、雰囲気でドカーっと買ったとはいえ「値動きの激しい東証プライム銘柄だったら比較的低リスクのスイングで遊べるし、優待貰いながら中長期でドーンと構える逃げ道もあるよね」くらいのことは考えた。
要するに「低いときに買って高いときに売ります」というまったく夢物語のような戯言なのだが、汝、夢見ることの価値を侮ることなかれ。
そもそも無頼派とよばれる坂口安吾に憧れてるくせして、預金が3桁万円あったらウソだと思う。
ライター(自称恥ずいけど)として主張に一貫性が生まれないし、そこはポーズにしたくないのだ。文章は語彙や読み易さやレトリックの前に魂。
まずもって口から偶然漏れ出た言葉がそのまま記事できるような人間になるのが理想で、そういう態度で日々を生きる、すなわち書いていないときにこそ最も書いている、そんな状態が一番いい。
また離れた。株だ。そう、はじめは1単元60万円で買った。「株を買う」ということ自体は簡単で、楽天証券の案内に従って口座を作ってアプリをインストールして自分の納得いく金額で注文してオリャーと念力を送れば約定である。
60万ではヒリヒリしなかった。仮に全額溶けたとして、そういうこともあるだろう、くらいの感じ。真剣味が湧いてこないのである。
大事なことを補足しておくと、僕の年収は大卒社会人の平均年収を下回っている。もちろん貯金も平均額ない。60万円は大金だ。
試しにもう1単元買い増してみたら合計で120万円となり、リスク資産が預金を大きく上回ってヒリヒつきはじめた。これがやりたかったんだなと思った。買った途端に株価が下がってすでに損失が出ているが、これは確かに「狼狽売り」という言葉のある理由がわかる。
言葉の表現するものを我が身で体感するということは、その言葉を生み出した過去の一個人と、現在までその言葉を残すことを選択してきた故人たちとの融和だと言える。抽象が具体となり、再び抽象として紡がれていく。悪い気はしない。
120万ぶん投げてから株のことを調べて、いかに自分がお金を好きか実感した。そんなのみんな好きだよ、という声もあるかもしれないが、そう言いつつ宝くじを買う人間ばかりなのだからアテにならない。
何がお金に繋がるか分からないから、自分の好みや感情などは放擲して、世の中のあらゆる物事に興味を待てるようになった。一分一秒でもお金に変換できる時間の使い方をしたほうがいいから、無駄な時間を過ごさなくなった。これらはすでにある大きな収穫である。
立場上残念なことだが、金銭を通してしか自分の外の物事に興味を抱けないのだと思う。そういう人間もいる。良いとか悪いとかではなく。
ただひとつ信じているのは、損得勘定は凡夫を聖人たらしめるということ。すなわち、真の損得勘定ができる人間は「損得勘定で動いている」と指摘されるような隙を見せて不利益を被るようなヘマをしないのである。
かえって損得から一番離れているように見える利他的な行動がなにより儲かることかもしれず、僕はその道でなら外の世界に寄与できる可能性が僅かながらある。せめてそういうものになりたい。
コメント
コメント一覧 (2)
あと、手押し車ですが、家の実家は農家でよく使うんですが、「一輪車」と呼んでいます。家だけですかね?笑
くっちゃん
がしました
コメントありがとうございます。
「一輪車」が最も正式に近い呼び名なのかな?と思います。ただ、子供が乗るバランスが大事なアレも同じ名前ですから混同を避ける意味で、私はネコとかネコ車と呼びますね。
まさか「ネコ車」でネコバスのことイメージする人はいないでしょうから!
くっちゃん
がしました