
チキン南蛮おごってもらったぜ!(筆者中央)
仕事が終わったあとの帰り道にいろいろあって初対面の台湾の方にチキン南蛮定食おごってもらいました。
突然ですが、僕のタダ飯ストーリーを聞いてください。
「メイヨウ!メイヨウ!」の恩
観光地で働いているので、訪日外国人の対応をすることが多い。時間帯によっては日本人より外国人の来訪者のほうが多かったりする。
宮崎県の山の方で働いているよ
そんな異国情緒あふれる職場での勤務中、中国語話者の男性の方から
「メイヨウ!メイヨウ!」
と声をかけられ、彼が手に持っていたレシートっぽい紙ゴミをぶっきらぼうに押し付けられた。
メイヨウとは「没有」と書く中国語で、一般的には「無い」という意味で使われる。
前後にも何か言っていたようだが理解できなかった。たぶん、ゴミ箱がないからこれを捨ててくれ、ということなのだと思う。

イメージ図
基本的にゴミは各自で持ち帰ってもらっているのだけど、日和ってそのまま紙クズを受け取った。

これもイメージ図
すこし経ってからその紙片を広げてみると、どうやら航空券の控えのようで、日本人の氏名が書いてあった。
もしやさっきの彼は、境内に落ちていた他人のゴミを拾ったけど捨てる場所が見当たらなかったから僕に直接渡してくれたのではなかろうか。(結果的にこの推理通りでした)
ゴミ箱がない!の「メイヨウ!」だったのだ。
だとすればちょっと嫌な感じで対応してしまった。察することができなかった。
急いで件の彼を探して「さっきはありがとうございました、サンキューサンキュー」とお礼を言った。
ふつう、言葉の分からない国でゴミ拾って届け出たりできないよ。
僕もチャンスがあれば親切や人助けをしなければならない。いま恩を受けた借金がひとつ貯まってる状態だから(最低な表現!)。
車が事故ってる!
その日の仕事が終わり家に帰っている途中、路肩で不自然に停止している車と、車の横で困っている様子の人たちを見かけた。たぶん事故だ。ここで恩を清算しとこう。

事故ったらこの三角のやつ出すんだな!メモメモ

あらま
声をかけてみると、その人たちは台湾からの旅行者で、「わ」ナンバーのプリウスは左前のタイヤがパンクしていた。やっぱり事故を起こして困っていたのだ。
通報もできていないようだったので、アイ、コール、ポリス、オーケー?などと確認を取り(デュオリンゴやってるとは思えん英語力!)、さっそく110番。
現場は道路拡張の工事中で片側通行になっており、そりゃ外国の人には難しいわなといった感じだった。

通報はしどろもどろになるから練習しといたほうがいいよ
「事故です 外国の方の車がパンクしています 確認したんですけど怪我はなさそうです たまたま通りがかったんで……」
すぐに警察が来てくれることになったので、翻訳アプリを使って彼らにそう説明する。
ほどなくして警察が現場に臨場。
まーーー、警察官の能力の高さには感心した。
状況の確認と整理がうますぎる。
車を目視してタイヤだけを替えればなんとか動くんじゃないかと見立て、保険会社・ロードサービスの会社に確認して対応をすぐさま調整していた。

通報からここまで1時間30分くらい
ジャッキは近所のおじさんが持ってきてくれた。
そしてなぜ通報しただけの筆者が数時間も付き合って野次馬をしているのかと言うと、
「お礼にご飯を一緒に食べましょう」と台湾の方から誘われたのだ。そう、タダ飯チャンスである。いえい。
以前にはヒッチハイクをしている大学生を拾ったらそのまま一泊二日の温泉旅行に行くことになったことがあり、そのときは風呂と飯を奢ってもらった。

劇場版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!タダ飯喰らいの卑しい顔つき!
いやはや、我ながら嗅覚がすばらしいですな。何があっても食いっぱぐれない自信だけはありますぞ。

ビス飛んでるしガムテープで補強。
そしてタイヤ交換は無事に終了。概して僕は何もしてないけども。
ボディ部分にはガムテープを貼っとくといいという警察の案を横から聞いていたので、先んじて懐に忍ばせておいたのを渡す。
🇹🇼「あなたはテープを売ってる場所を知っていますか?」
俺「ここにありますよ(ポケットから布ガムテープを取り出す)」
🇹🇼「oh!amazing!!なんで持ってるの??!!!」
俺「マイホームに取りに行ったのさ!」
🇹🇼「ヒューヒュー!!!!」
安い日本アゲのテレビ番組じゃないか!と言われてもしょうがないくらいのハッピー空間になってしまった。
そして予定どおりみんなご飯屋さんへ。

車内後部座席。お前が運転しろ!
事故を起こしたての外国人の車に乗って。大丈夫か。
それは「クレイジー」を表すのよ
一時停止にハラハラしたりしつつも無事にご飯屋さんに到着。大丈夫だった。おすすめのメニューを聞かれたのでチキン南蛮とちゃんぽんを勧める。
ご飯が届くまでいろいろと会話をする。
でも、ゆっくりしたテンポの英語で話しかけてくれてるのに意味がほとんどわからない。す、すまん。
全身白の作務衣だったのであなたはシェフですかと聞かれて、これは流石に分かった。

王将の厨房にいたら料理人に見えるかもな
「アイムノットシェフ」と返した。教科書の例文か。
「ちょうど10年前にもオーストラリアで事故を起こしたのよ」
「日本の警察は厳しいけど熱心ですね」
「日本のお米は台湾の米より美味しいです」
みたいな話を聞いた。
そして、ひとりに仕事を訊ねてみると、半導体関連の会社員だという。稼いでいそうだ。
それは頭を使う仕事ですよね!の意味を込めて次のジェスチャーをしながら「すごい!」と言ったら、

半導体の会社?!頭がいいですね!!
「それは"クレイジー"を示すジェスチャーよ笑」
と、横からツッコミが入った。(あとから鏡の前でやってみたら確かにそれだった)
あわや国際問題に発展するところだったが、彼は「簡単な仕事ですよ」とフォローしてくれた。
……な、なんてできた人なんだ。

チキン南蛮「もも」定食
そうして本場のチキン南蛮が臨場。1,400円なり。うまかったし、みんな喜んでくれてよかった。あとみんなの食事の所作が美しすぎてひっくり返った。

記念写真

こんなに目をつぶってることある?
さいごは家の近くまで送ってもらって、ザイチエン!と言いあって別れた。
再見、再見、非常感謝!
情けは人の為ならず、なんてったってタダ飯が食えますからね。みなさまも是非、情けをお試しくださいませ。
以上「情け」のステマ記事でした。
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