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遊ばれることなく部屋の隅に積まれたゲームのことを「積みゲー」と呼ぶ。同様に買うだけ買って読んでいない本のことを指す「積読(つんどく)」という言葉もあるが、こちらは身に覚えのある方も多いだろう。

唐突だが僕はボードゲームが好きだ。友人が遊びに来てくれたときはトークそっちのけでゲームを引っ張り出すし、給料の少なくない割合を購入費に充てている。買う。とにかく買う。ボードゲームは将来の我が子と遊べるから浪費ではないなどと言いながら、買う。遊ぶ人もいないのに。

買い漁った結果、ルールすらわからない積みゲーが10万円分くらい家にある

積みゲーを見るのはつらい。無駄遣いをしたようで罪悪感があるし、なんとなくプレッシャーを感じてしまう。遊ぼうにも本のように一人で消費することもできず、人を集めてゲーム会を開けたとて面白いかも分からない未知の箱を開くのには勇気がいる。

それならば、ボードゲームのコマを積み木のように積み上げて遊ぶのはどうだろうか。さすれば形はどうあれ積みゲーで遊んだことになり、僕の気分は晴れるだろう。うまくいけば積みゲーや積読に悩めるすべての人を救えるかもしれない。

積みゲーという概念
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これは我が家を飾る積みゲーの一部である。居間に置いているので毎日目にすることになるのだが、もう半年近く触れていない。

ところで、積みゲーという語は最初の意味から転じて「遊んでいないゲーム全般」をあらわす言葉となっており、実際には積まれていなくとも未プレイのゲーム群を指して使われることが多い。

抽象概念と化した「積みゲー」を再び具象に落とし込んでゲームを物理的に積み、新たな楽しみを引き出そうというのが今回の試みである。

積むというソリューション
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そもそもボードゲームには積むことを楽しむものがけっこうある。上記画像の『ワニに乗る?』は可愛らしい動物たちを崩さないように積んでいくゲームで、木で作られたコマはあたたかみがあって触ると心地よい。

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雲の上にハシゴを積んでいく『キャッチ・ザ・ムーン』というロマンチックなゲームも。こういう頭を使わないアクションゲームは老若男女で楽しめるので、家族とのコミュニケーションにもオススメだ。

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部屋に見立てたカードを積み上げていくゲームもある。崩れたときには子どもも大興奮。

テーブルゲームには積むというソリューションがそもそもあるのだ。これを追い風にして何の迷いもなくコマを積んでいこうじゃないか。

ボードゲームのコマを積もう
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購入以来まともに触れていないゲームの箱を初めて開ける。めちゃくちゃ面白そうなのに普通に遊べていないのがちょっとツラい。この魅力的なコマたちを使って積み木遊びをする。

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ルールブックも黙殺。デザイナーと翻訳家、すまん。

しかし今日は戦う日だ。四の五の言わずにコマを積んでやろうじゃないか。常識を無視する日があってもいい。

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あらゆるボードゲームのコマをひたすら積んでみたぞ、どうだ!

…自分で言うのもなんだけど、なんか、どうもこうもないな。

ゲームというひとつの作品を冒涜するだけして、それに見合う面白さを引き出せていない気がする。自分の子どもがこんな遊び方をしていたら二度とゲームを触らせないかもしれない。コレじゃダメだ。

これがほんとうの積みゲーだ!
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さっきの積みゲーはできそこないでした。ついてきてください。これから本当の積みゲーというものを見せてあげますよ。

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原点回帰、今度はを積みたいと思います。コマは小さすぎてよく分からなくなりますし、高さも出ませんでした。いっぽう箱の方は大きい上にカラフルで華やかです。

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ほら、ご覧の通りです。並べるだけでもうワクワクしてくるでしょう。

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ボードゲームの箱はだいたい四角いので積み上げやすいですね。大人が集中して作業しているので崩れることもありません。

彩りなどの見た目を気にするとよいかもしれませんが、高く積むのに夢中で特に何も考えずにやっています。

中古でも1万円以上するゲームがあるので、そういう高額ゲームは高い位置に積まないようにしましたね。傷がつくと悲しい。

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いよいよ身長(173cm)に届こうかというところ。もう少し積みます。

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完成しました!

これが正真正銘の積みゲーです。ぼくはゲームを遊ぶだけのプレイヤーから、新たな作品を生み出すアーティストへ転身しました。

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笑っている理由は自分でも説明できませんが、このボドゲ塔は絵面として見たことなさすぎるので面白いです。そもそも自分の背丈より高いものを作った経験がないので達成感がありますね。

また、各ボードゲームの箱に注目すれば「あのときあいつと遊んだな」だの「プレゼントしてもらったんだよな」だの、思い出がよみがえってきてノスタルジックな思いに浸れます。

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積みゲーを物理的に積みまくってその前でポーズを取る写真はまだ世の中にないぞ。たぶん。

おわりに
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かくして僕は積みゲーを攻略し、感じていた罪悪感をも祓ったのだった。いまは得も言われぬ満足感につつまれている。おもしろかった。

別にゲームでなくても本や参考書、練習しなかった楽器、叶わなかった恋など、なんとなく負い目を感じるものを積み上げるのはどうだろう。そのまま火を放てばお正月の「とんど焼き」みたいでおもしろいよ。きっと

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公民館のステージが1時間200円で借りられたので撮影にうってつけだった。想像するに、ステージだけ使用する利用者は少ないので、抱き合わせ前提で控えめな価格設定になっているのだ。

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ドミニオンがやりたくて仕方ないので、宮崎県北付近にお住まいで遊んでやってもいいよという方はご連絡下さいませ。ぼくはマジで言ってますよ。