カードゲーム用語に「下位互換」という言葉がある。二種のカードを比べたときに同コストにも関わらず能力やパワーが劣るもののことを指す。

オメガティックドラゴンは5コスト50万パワー!一方で屈葬された農民は5コストで30パワー!誰が農民なんてクソ使うねん!ギャハハ!みたいなことだ。

遊びの場合はギャハハ!で終わる。ところがこの論理を人間に当てはめたとき、話はとたんに残酷になってくるのだ。それでつらい思いをしてしまう人もいると聞く。

「大谷翔平はメジャーで活躍し数億稼いでいる上に高身長でイケメンで英語がペラペラだけれども、同い年の俺はフリーターで低収入かつブスで性格も悪いうえに勉強もできない。

大谷の下位互換である俺が生きてる意味ってなんなんだ。俺が存在する価値は全くないじゃないか。

そんなことを考えてしまう人へのメッセージ。

事実、あなたは大谷さんの下位互換です。あなたに価値は全くありません。あなたがなんとか踏ん張ってやってるその仕事も、大谷さんの二刀流と比べれば屁みたいなもんです。残念でしたね。

まさしく、あなたのおっしゃる通りです!


現実世界がゲームであれば

当たり前だが現実はゲームじゃない。なんで下位互換なんて言葉を引っ張ってきてまで自分をいじめようとするのか。そんなことは今すぐやめたほうがいい。自傷は癖になって取り返しのつかないことになる。

あなたの業務やシフトを大谷さんが肩代わりできるだろうか?できるはずがない。あの方は異国の地で球を投げたり打ったりするので忙しいから。月並みな言葉だが、あなたの仕事はあなたにしかできない。

友人や家族などあなたと関わりある人たちは、あなたと大谷さんどちらを大切に思っているだろうか。考えるまでもない。その点においてあなたは大谷さんの上位互換である。完全に。そういう人たちをないがしろにしてはいけない。

ゲームがうまいとか、掃除がうまいとか、レジ打ちが好きだとか、快便だとか、砂遊びが得意だとか、納豆食べられるだとか、探せばいろいろあるはずじゃないか。たまたま今の世の中が野球とか金とかいうものを過大評価しているだけの話に過ぎない。

自分の好きなようにルールを編み出して楽しく生きることはできるはずだから、あなたは生きなければならない

大谷よりいいうんちが出た!

それでいいじゃないか。彼のブツと比べようはないけれど。でもうんちもいいの出してそうだよな。そんくらいは勝たせてやろうぜ。

謙虚なのはガワだけでいい。