高校時代の日本史の課題にこんな問題があった。

当時の農民の暮らしについて思うところを書きなさい

作ったもの食べてるだけで生活できるんだから楽そうで羨ましい。そう書いた。

これを読んだ女教師は赤ペンで殴り書き返信、顔まで赤くしていたかもしれないが、曰く

重税や飢饉などがあるので楽ではありません!

ちゃいますやん。
現代の日本で生活しようと思ったら、学校出て就職して好きでもない仕事に時間ぶち込まなあかんわけでしょ。

公共料金、家賃、税金、電車通勤、有料のゴミ袋、生きてるだけで金も暇もかかる。生命の維持だけを目的にしたときにかかる面倒が今と昔とじゃ違う。

重税も飢饉も疫病もそら大変でしょうが、誰とも会わず自分の作ったものだけを食べて生きていく遁世生活を目指したとき、中世と現代ならどちらが実現の可能性高いですか?そういう話なんです。

と言っても威勢が良いのは頭の中だけ。先生に楯突けるわけもなく、プリントは黙って捨てた。


時は流れ今年で29歳。先生、あなたの名前はもちろん顔も覚えてないですが、僕は反省しました。この時代のこの国に生まれて本当に良かった。今はそう思います。

のうのうと生きて年収300万ですわ。この金で何ができるか。

なんと、蛇口からお湯が出る家に住めて、自家用車も持てる。食いたい時にコメが食える。洋酒が飲める。インターネットに繋いで(合法の枠に限っても)無料で漫画が読めて音楽が聴けてゲームまでできる。

蛇口からお湯が出るなんてのはとんでもないことですよ。これ以上なく便利で贅沢ですよ。

今の庶民は江戸時代のどんな金持ちよりも良い生活送ってます。一般に低収入と言われる人間も蛇口を持ってますから。
こんな贅沢品、元はインフラじゃなかったんです。

4Gが5Gになって何が変わりますか?
iPhone8が13になったからって何なんですか。

臆さず言えば、年収が300万から3,000万円になったところで何が変わりますか。

安アパートが庭付き一軒家に、タントがレヴォーグに、米の食味値95点、あとはグレンリベット12年から30年ですか。

今と同じ労力で年収が3,000万円になるなら、それはその方が絶対に好ましいですよ。広い家もヴィンテージウイスキーも羨ましいですわ。その葡萄はさぞ甘いんでしょうなあ。

でも僕にとっては微々たる差です。

現代日本人は低賃金労働者ですら十分に豊かです。頑張らなくても生きていけるのだから頑張れなくて当然です。がんばらなくてもええねんでって、つんくも言ってました。大丈夫です。

金が人生の目的になってませんか?

まさか幸福とか理解者とか自己実現なんて訳わからんもんを追ってるとか言わんで下さいよ?

あなたって意外とロマンチストなんですね。

米とお湯こそが人生の目的ですよ。

それ以上求めて努力できるのは貪欲者ってなもんで。

今日も蛇口捻ってお湯が出る。
それだけで良しとしましょう。
湯が出る限りは好き放題してやりましょう。

豊かな国に生まれてよかった。